今回は、徳光健治氏の「現代アート投資の教科書」から得られる学びをまとめます。
本記事の読者像
- アート投資に興味がある人
- アートをどうやって鑑賞したら良いかわからない人
学び1:アート鑑賞において自分の判断基準を養う。
質の高いアート作品を買うには、多くのアートに触れることが必要です。多くのアート作品を観ている人は、自分なりの判断基準を持つことができます。
アートは、そのアートを観たその場で買わなければ、すぐに他で売れてしまうことがあります。すぐに買う買わないの決断を下すことが非常に大切です。
では、どのように判断基準を養うのでしょうか?
本書では、まずは作品に向き合い、自分の感情や感覚を素直に感じることの大切さを説いています。
- 好きか嫌いか
- 幸せな気持ちか憂鬱な気分か
- ある出来事を想起させるか
- はたまた空想の世界へ誘われるか
また、嫌いな作品に出会ったとしても目を背けず向き合う必要があります。あなたが思う好みのアートとは、あなたが今まで実際に見てきたもの、得てきた知識の範囲で形作られたものにすぎないからです。今まで抱いていた好みは、一度頭の中の引き出しにしまって、まっさらな気持ちで自分の好みのアートを探すことが大切です。
学び2:プライマリー市場から購入する。
アートというと、オークションをイメージする人が多いのではないでしょうか確かに近年のアジアでは、オークションなどのセカンダリー市場が盛り上がりを見せています。
しかしこの本曰く、コレクターとしてアートを買う側の立場に立つと、ギャラリーをはじめとするプライマリー市場でアートを購入した方が良いのです。
プライマリー市場とは、ギャラリーや美術館などで、作家と直接取引する市場のことです。そのため、他の競合となる買い手の出方を見るというよりも、作家と直接やりとりをする形式になります。そのため、セカンダリー市場であるオークションと比べると、価格が割安になります。また、作家やギャラリーとコミュニケーションを取ることで、作品の背景やコンセプトを深く理解できることもあります。
基本的にセカンダリー市場の方が価格が釣り上がるので、まずはプライマリー市場で購入をする。その後、将来的にセカンダリー市場で高値で売る、というのが良い流れになります。
学び3:誰もが理解できるアートを購入する。
アートは、人間の感性や思想を表現する創造的な活動です。時代や文化によって変化し、多様な形式や手法で展開されます。
この本では、長続きするアートには以下の共通点があると説いています。
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世の中の多くの人に共感してもらえるコンセプトがある
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社会性のあるテーマが内在している
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それが美術史の文脈に位置付けられている
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世の中の多くの人に共感してもらえるコンセプトとは、人間の本質や存在意義、感情や欲望などを表現するものでしょう。
社会性のあるテーマとは、社会的な問題や現象、風俗や習慣などを批判的に捉えるものです。
それが美術史の文脈に位置付けられているとは、過去のアートの変遷において、何か新しい価値や意味を与えているものかどうかを評価しているものだと考えられます。
まとめ
今回紹介した本から得られる学びは以下の通りです。
- アート鑑賞において自分の判断基準を養う。
- プライマリー市場から購入する。
- 誰もが理解できるアートを購入する。
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