【本のまとめ】消された一家 北九州・連続監禁殺人事件

読書ログ

今回は少し重たい内容の本を取り上げます。豊田正義氏の「消された一家 北九州・連続監禁殺人事件」です。

闇金ウシジマくんの「洗脳くん」の元になった実際の事件を詳細に描いた本になります。

かなり酷い話が多いので、今回の記事では実際の出来事にはあまり触れないようにします。詳細が気になる方は、実際に本を読んでみてください。

 

学び1:自尊心を持つ

この本の中で、「思考停止型」という言葉が印象に残りました。
思考停止型になると、自分では何も考えることができない状態になってしまいます。
この原因として考えられるのが、暴力や心的外傷などにより、「自分自身は無力だ」という考えが芽生えてしまうことです。過酷な暴力や理不尽な要求に耐えることが、一つのアイデンティティーとなってしまうのです。
実はこれ、いわゆるブラック企業でも同じで、人を罵倒することにより、その人のメンタルを破壊し、自尊心を取り除いてしまうのです。自尊心を取り除かれてしまうと、使いやすいコマに変形していきます。
そして、そのコマ同士を競争させることで、駒同士が結託する考えを削ぎ落とし、自分の使いやすい組織に仕上げていくのです。
これを未然に防ぐには、自分自身の自尊心を何かしら持っておくことが大切だと思っています。
前に勤めていた企業では、他人を罵倒することが恒常的に行なわていました。深夜2時まで仕事をして帰宅、翌朝は上司に詰められる。鬱になって休職・退職する人がいる一方で、一部の同僚は平常心を保って仕事をしていました。
このように2種類の人間が生まれることに疑問を持った私は、比較的「大丈夫」な人にその理由を聞いてみました。そうすると、彼らは「筋力なら負けない」や「怒鳴ってくる人と喧嘩しても負けない」という、自分が自尊心を持てる点を考えることで心のバランスを保っているのです。
どこに自尊心を持つかは人それぞれでOKだと思います。どんな小さなことでもいいから、自尊心を持つことを意識する必要があると学びました。

 

学び2:隠し通せるものはない

被害にあった家族のものの考え方が印象に残りました。

娘を刑務所に入れるのは忍びないという親心だけではなく、娘の犯罪が世間に知られたら、自分も終わりだ、という強い危機感もあったのだろう。身内の恥は絶対に隠し通さなければいけない。

地元の名家であったこともあるのでしょう。周りの目が気になるというのは、絶対に無くせないものであると思います。

しかし、「恥」というものは隠し通せるものではありません。この家族の「恥」も、本で取り上げられているように、結局世間に露呈してしまっています。

タイミングが異なるだけで、悪い噂というのは必ず広まると思います。来週なのか、10年後なのか、タイミングは定かではありません。

ならば、自ら悪い噂は公表していく、受け止めていくべきだと思います。

学び3:個人の結束から強い組織は生まれる

加害者は一家全員を結託させることなく、支配下においていました。

どのように支配下に置いていたかというと、順位づけをさせていました。誰かが些細な理由で最下位に落とされれば、他のものは安堵し、絶対服従の態度を続けます。そして最下位のものは、序列を上げるために加害者の関心を買おうとして、家族を裏切ることも厭わなくなります。こうして家族は敵対関係に陥り、もはや結束して加害者に対抗することもなくなったのです。

これはつまり、結束を生ませると強い組織になりうるということです。そのためには、順位づけというものを明確にせず、上司の関心を買うためだけに行動させないようにすることが必要になるでしょう。この組織だけではなく、他の組織でも生きていくという心のゆとりを育ませることで、上司の評価だけを気にする人物ではなくなります。

まとめ

今回は豊田正義氏の「消された一家 北九州・連続監禁殺人事件」を取り上げました。

  • 自尊心を持つ
  • 隠し通せるものはない
  • 個人の結束から強い組織は生まれる

 

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