西川善文氏の「ザ・ラストバンカー」から得られた学びと考えをまとめようと思います。
- 本記事の対象読者
- 「ザ・ラストバンカー」を読んでみたい人
- 金融機関で働く際に気をつけた方が良いことを知りたい人
学び1:明確な結論を書け
本書では、リスクを取ることの重要性を強調していました。元銀行員が書いた内容にしてはかなり的を射ています。
調査部経験者は大勢いるが、結論を明確にせずレポートをまとめる優等生は、その後見事なくらい出世していない。支店長や部長止まりで役員にはなれなかった。
結論を明確にしないで、あやふやな結論で終わってしまうレポートは、そもそも調査が足りていないことを示していると思います。もし十分に調査しきっていれば、自分なりの結論をしっかりと出すことができるはずです。それができないということは、調査が足りないということ。
なんで調査が足りないかというと、物事を様々な角度から見ることができないということ。
この本では、リスクを取らずにあやふやな答えを出すと、出世できていないとしています。しかし、それは役員として必要とされる能力がないということを示していると思います。
学び2:部下を難しい交渉の矢面に立たせてはいけない
これもかなり重要なポイントだと思います。部下が自分で難しい交渉を取りまとめることができると、そもそも上司はいらないという結論に達してしまいます。上司の存在価値はというと、難しい仕事内容を、部下よりもスピーディーに対応することだと考えられるでしょう。
特に、切羽詰まった状況や交渉のかなり佳境な場面において、上司が矢面に立つことの必要性は高まると思います。なぜなら、常に危機に直面している状態であるため、その場でスピーディーな経営判断が必要になるからです。スピーディーに物事を進めるためには、トップレベルが率先して動くことが一番であります。
学び3:意思決定の階層を削減する
これは強固な組織を作る上で必要な要素になってくると思います。
現在勤務している会社の意思決定のスピードはとても早く、意思決定の階層は主に2層しかありません。むしろ、実質的に一番案件を見ている人が一番目の意思決定を下すことになり、その上の階層の人はあまり口をはさみません。
これって、日系企業とかなり異なってます。
ある日本企業がカウンターパーティーの時、一つの書類を外部に出すまでに3週間以上かかっていました。なぜなら、その書類を外部に出していいかどうかの議論を、何層にも分けて実施していたからだそうです。
果たして、複数の階層に分ける必要があったのだろうか。
学び1に戻ってしまいますが、意思決定を何層にもすることで、各個人のリスクを希薄させているように感じます。自分が背負う責任を軽くすることで、誰が最終的に責任を負うかあやふやにする。責任を取る人がいなくなってしまいます。
まとめ
今回は、西川善文氏の「ザ・ラストバンカー」に関する学びをまとめました。
- 明確な結論を書け
- 部下を難しい交渉の矢面に立たせてはいけない
- 意思決定の階層を削減する
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